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「あんた…ホントに夏原?」

「それはどういう意味ですか?」

「え…だって夏原にしてはやけに素直だし、夏原って謝ったりするキャラじゃないっていうか…。」

「あなたに素直じゃないなんて言われたくないですね。
それに自分が悪い時には謝ります。
あの日、あなたが北斗七星に関心を持ってくれたことが私は嬉しくてつい、あんな行動に出てしまいました。
思えば、女性に軽々しくあのような行為をするべきではありませんね。」

「べっ…別にあたしは女性って言えるほど大層なものじゃないけど。」

「女性に変わりはないでしょう。
ですが、今日こうして来てくださって私は嬉しいです。
あなたには嫌われ、もう二度とこうしてここで会うようなことはないと思っていましたから。」

「…なんで?」

「凄まじい勢いでここを飛び出したのはあなたですよ。お忘れですか?」

「いや、忘れてないけど…でもなんであたしが夏原を嫌う…までいくわけ?
あ、べっ…別に好きってわけじゃないけどっ!
あたしはあんなことくらいで人を嫌ったりしない!」

「…そうですね。あなたはそういう人です。
私も少々おかしくなっていますね。嫌われたり遠ざけられることには慣れているはずなのに、少し悲しく思う、なんて。」

「慣れて…んの?」

「ええ。見た目と中身が違いすぎると言われて、告白されて付き合って3日でフラれるなんてしょっちゅうです。」

「ってことは彼女は…。」

「いませんよ。私の見た目を好いてくれる方はいますが、今はもう稀ですね。
私の内面はあまり好まれないようです。」


…なんだかその口調がどことなく寂しげで、少し苦しくなる。

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