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「私が何者かという問いについては、私はただの夏原怜であるとしか答えようがありません。
いつでもいるとは言いました。だから今こうしています。今日は部屋を片付けてたらいつの間にかこんな時間になっていたんですよ。
そして、ブランケットを返しに来てくれたことに関してはありがとう。それがないとあなたほどではありませんが多少なりとも困ります。」

「…一気に答えやがったな夏原…。」

「4回のバカ発言については撤回を要求します。」

「やだ!」

「大体、あなたがいつ来るかも分からないんですよ。
私がいつここに来ようが私の勝手では?」

「あたしが来る時に夏原いないとカイロ貰えないじゃん!凍死したらどうすんの?」

「そんなの自己責任ですよ。この程度の寒さで凍死するような体質でしたらカイロを常に携帯するしかないのでは?」

「ああ言えばこう言う…。」

「そっくりそのままお返ししますよ。」

「とりあえずブランケット返す。ありがとう。」

「ありがとうが言えるようになるとは…成長ですね。」

「あんた、あたしのことバカにしすぎ!」

「温かい目で見守ってると言った方が正しいかと。」

「はぁー!?」

「…すみません。あなたの反応が楽しくてつい。」

「え…?」


夏原がいつもよりも少し表情を柔らかくして話す。
…笑って…る?


「あなたが私の言葉にいちいち反応を返してくれることが新鮮で、ついからかってしまうんですよ。
この前も、気を悪くしたとしたら謝ります。すみません。」

「え…あ、いや…。」


ぺこっと頭を下げる夏原に、…焦る。
何この素直なヤツ。夏原はこんな人間じゃ…。


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