7 STARS
「はぁーカイロ!?カイロ2つがクリスマスプレゼントって普通に有り得ないでしょ!?
別に付き合ってるとかじゃないけど、こんなロマンチックなシチュエーションでカイロ!?
その神経、マジで疑うわー!」

「そこまで言われなくてはなりませんか?
今のあなたの状況を見て、あなたが一番必要なものはカイロなのではと判断したまでなのですが。」

「カイロは必要だけどプレゼントじゃない!」

「では何が欲しいのですか?」

「別に欲しいものはないけど。」

「…一体何のワガママですか、それは。
…ですが、先に私がプレゼントをいただいている以上、何かお返しは必要ですね。」

「え…?あたし何も…。」

「いえ、もういただいています。
あなたがここに来てくれて、私の星の話を聞いてくれた。私にはそれだけで充分です。最高のクリスマスプレゼントです。」


…笑顔。…夏原の笑顔、しかも子どもみたいに屈託のない…笑み。
だから、心臓うるさいってば!夏原もバカ!いきなり笑わないで!


「じゃっ…じゃあ…あ、でもなぁ…夏原冷たいから…。」

「それは聞き捨てならない発言ですね。私は冷たくなど…。」

「あ、違う違う!今のは心の話じゃなくて手の話!」

「手、ですか?今日は温かいですよ、ほら。」


そう言って夏原の手があたしの手を包んだ。


「…あのねぇ、手袋の上からそんなことされたって分かんないんですけど。」

「あ、それもそうですね。では…。」


夏原の手が、頬に触れた。
…あ、温かい…。

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