7 STARS
「つーか、ヒメの可愛さ異常だったし。」

「えっ?あ…そっ…そんなことっ…!」

「だから早見が勘違いしたんだよな…。」

「…早見くんにはびっくり…しましたっ…。」


王子様役の早見くん、本番に…


「あいつ…許すまじ…本番でいきなりキス…するとか!」

「でっ…でもっ…ほっぺだしっ…。」

「口にしてたら今頃あいつ、生きてねぇから。」

「えぇ!?」


幕が下りたあとのハルくんの剣幕なんて…思い出したくもないくらい凄かった…。
バッチリメイクの施された顔(しかもとっても美人!)でつかつかと早見くんに歩み寄り、胸倉を掴んで…殴る寸前…で私がギリギリ仲裁に入って…


「あー思い出したらイライラしてきた!」

「そんなっ…!ちょっと落ち着いて…。」

「…たとえほっぺでも嫌なんだよ…。」

「え…?」


そう言って、ハルくんの大きな手が私の頬に触れる。


「口なんてもっと嫌…。」


唇に触れた指。
そっと、私の唇をなぞる。


「ハルくんっ…。」

「なに?」

「何って…は…恥ずかしいよっ…。」

「…その顔、逆効果。」


そう言うと、頬に少しだけハルくんの唇が触れた。

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