7 STARS
毎年7月7日に見上げ続けてきた空。
…ハルくんを想って見つめる空は毎年変わらなかった。


会えなければ会えないほどに想いは募って止められなくて。
言いたいのに言えない…〝好き〟の二文字。


来るか来ないか分からない人を想って見上げた空とは、同じだけど違う空が今ここにある。
あの日会いたくて会いたくて仕方がなかった人が、今、すぐそばにいる。


「…7月の空とは、違うよね。」

「そうだな…見える星も全然違う。
そう言えば、あの日の天の川、綺麗だったよな…。」

「うんっ!ものすごく綺麗だった!」

「振り返れば早いよな…ヒメと付き合い始めて半年…か…。」

「あっという間だったよね。…でも、すごくすごく幸せだった。」

「…つーか色んなことあったよな…。
ヒメ、モテすぎて困った!」

「え…?」

「あの…あいつだよあいつ…クラスの…早見!
あいつ、本当に油断も隙もなかった!学園祭のときとかなんであいつがヒメの相手役なんだよ…。」

「そっ…それはくじ引きで決まったことだしっ…。」


そう。9月の文化祭で私達のクラスは劇をやることになり、配役はくじ引き。
演目はあまりにベタだけれども『シンデレラ』


私は『シンデレラ』、そして早見くんが『王子様』
それで、ハルくんが…継母。


「…学園祭なんて思いだしたくもねぇ!」

「じょ…女装、似合ってたけど…。」

「それを言うなって!」


ちょっとだけ赤く染まった頬。
…こういう表情はあどけなくて、とても可愛い。

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