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帰り道は楽しかった。
窓を開けて、星を眺めながらあれこれ説明して、それを齊藤は嫌そうな顔一つせずに、興味深げに聞いていた。
「あ、そのアパートです。」
「分かった。」
アパートの前で車が止まる。
齊藤が後ろから自転車を下ろして自転車置き場まで運んでくれた。
「…なんか最後まですみません。」
「こういう時は謝罪より別の言葉の方が合うだろ、普通。」
「あっ!!ありがとうございました。」
「そういう教育しろよ、お前。」
「わっ…分かってますよ!!」
『ありがとう』という言葉は、意識して使うようにしているつもりだ。少なくとも子どもたちのいる前では。
些細なことでも手伝ってくれたら『ありがとう』と言う。
言われたら嬉しいのだと分かればきっと、子どもたちの方もお互いに積極的に『ありがとう』と言えるようになるだろうという願いを込めて。
仕事の時は出来るのに、プライベートで上手く『ありがとう』を言えないのは、なんというか…反面教師である。
「玄関まで送る。」
「そんな、大丈夫ですって。」
「いいから。」
「2階のすぐそこですし。」
「…心配だから。部屋入るまで見届ける。」
齊藤の口から出てきた『心配』という言葉に、一瞬だけ、きゅんという場違いな音がした。
窓を開けて、星を眺めながらあれこれ説明して、それを齊藤は嫌そうな顔一つせずに、興味深げに聞いていた。
「あ、そのアパートです。」
「分かった。」
アパートの前で車が止まる。
齊藤が後ろから自転車を下ろして自転車置き場まで運んでくれた。
「…なんか最後まですみません。」
「こういう時は謝罪より別の言葉の方が合うだろ、普通。」
「あっ!!ありがとうございました。」
「そういう教育しろよ、お前。」
「わっ…分かってますよ!!」
『ありがとう』という言葉は、意識して使うようにしているつもりだ。少なくとも子どもたちのいる前では。
些細なことでも手伝ってくれたら『ありがとう』と言う。
言われたら嬉しいのだと分かればきっと、子どもたちの方もお互いに積極的に『ありがとう』と言えるようになるだろうという願いを込めて。
仕事の時は出来るのに、プライベートで上手く『ありがとう』を言えないのは、なんというか…反面教師である。
「玄関まで送る。」
「そんな、大丈夫ですって。」
「いいから。」
「2階のすぐそこですし。」
「…心配だから。部屋入るまで見届ける。」
齊藤の口から出てきた『心配』という言葉に、一瞬だけ、きゅんという場違いな音がした。