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唇がすっと離れる。
そして重なる視線に、汐織の目が先に泳いだ。


「なんで逸らす?」

「いえっ…あの…恥ずかしくて…。」

「正直でいいなお前。」

「ばっ…バカにしてるんですか?」

「してない。からかってんだ。」

「なーっ!!どっちも同じですよ!!」

「違うだろ。からかうっつーのは可愛がってんだよ本質的には。」

「なっ…。」


一気にまた顔が赤く染まる。
街灯の下では明らかにバレてしまう。


「答えはその顔か?」

「へ?」

「分かっただろ、俺がお前のピンチに間に合う理由。」


…つまり、きっと…


「私のこと、見ててくれた…からですか?」

「それプラス、気にかけてたから。」

「あの…それって…。」

「好きだから、まで言わないと伝わんないか、お前には。」


さらっと言われた『好き』という言葉に汐織の胸が大きく跳ねた。

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