7 STARS
10分くらい経って、髪がある程度乾いたショウがリビングに戻ってきた。
ふわふわの髪があっちこっちに跳ねていて、子どもっぽさを感じさせる。
「…跳ねてる、髪。」
「あ、ホントだ。」
そう言ってショウは手で大雑把に髪を直した。
そして夢の方へくるんと向き直る。
「申し訳ないんだけどお金は一銭たりとも…。」
「分かってる。あんたはご飯と洗濯、掃除してくれれば文句言わない。」
「じゃあ…行こっか。」
「あんた一人で行きなさいよ。」
「せっかくだからどういうものが好きなのか知りたい。
だから一緒に行こうよ。」
「…別に何だって食べるよ。」
『何だって好きだよ』とは言えない。
『好き』は言わない。
それはいつの頃からか夢が徹底して守ってきたルールだった。
「何が好きなのか知りたいって言ってるの、俺は。」
…どうやら変なところは頑固らしい。
夢は諦めて頷いた。
「…分かった。行くよ。」
「うん。ありがとう。」
自分にその笑顔が向けられたと感じるまでに7秒を要した。
ふわふわの髪があっちこっちに跳ねていて、子どもっぽさを感じさせる。
「…跳ねてる、髪。」
「あ、ホントだ。」
そう言ってショウは手で大雑把に髪を直した。
そして夢の方へくるんと向き直る。
「申し訳ないんだけどお金は一銭たりとも…。」
「分かってる。あんたはご飯と洗濯、掃除してくれれば文句言わない。」
「じゃあ…行こっか。」
「あんた一人で行きなさいよ。」
「せっかくだからどういうものが好きなのか知りたい。
だから一緒に行こうよ。」
「…別に何だって食べるよ。」
『何だって好きだよ』とは言えない。
『好き』は言わない。
それはいつの頃からか夢が徹底して守ってきたルールだった。
「何が好きなのか知りたいって言ってるの、俺は。」
…どうやら変なところは頑固らしい。
夢は諦めて頷いた。
「…分かった。行くよ。」
「うん。ありがとう。」
自分にその笑顔が向けられたと感じるまでに7秒を要した。