小林惣一郎の初恋
「派手に折れてのかな…今のは…本当に痛かった…でも、これで動けるはずだ…」

惣一郎は左手を下に付き、瓦礫を押し上げた。

右腕は二の腕の真ん中辺りから切断されていたが、血は出ていなかった。

「なんで血が出てないんだろ…いや…服の切れ端に付いてるから…止まったのか…?
前にも血はかなり流れたのに、別に貧血にもならなかったな…。
血も再生…ってか増えるのかな?
んで死なないように勝手に止血するとか?
ん~自分の身体なのに仕組みが全然わからん;」

惣一郎は少し腑に落ちなかった。

「まぁ体質系は意識で抑えるのも限界があるって静さん言ってたから…俺の場合、生命の危機には勝手に活発になるのかな~?」

惣一郎は転がっている右腕を拾った。
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