群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
大ちゃんちの引っ越し先は、電車で一時間くらい。


行けない距離ではなかったけど

幼かった私には


すごく遠く感じて


大ちゃんが引っ越しし、隣の家がガランとした途端に

元気がなくなった。




そんな元気のない私にママは


「お姉ちゃんが通っている、テニススクールに行ってみない?きっと楽しいよ」



これがきっかけだった。


ラケットなんて握ったこともない。

ルールも知らない。



けど、練習するたび

打てるようになり


相手コートにボールが返るようになり楽しくなった。


いい成績を納めたりもしたけど


名声が欲しかったわけじゃない。


ただ、テニスが好きだから。



それだけだった。
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