群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
桜の蕾が膨らみ始めた3月

中学を卒業し

春から私は高校生になった



高校入学と同時に、私は変わった。


一言でいうと『ダサい子』


そういう格好をして、おとなしく、近寄りがたくしていれば、誰も寄ってこないだろうから。



これ以上、新しい人と関わりたくない。



思惑通り、誰も寄ってこなかった。



──…結局、高校三年になっても友達と呼べる人はいない。



私を利用しようとする人はたくさんいた。


自分より、劣ってる女には、女は優しい。


そういうものだと


肌身で感じた。



私の変わりように、家族は絶句してたが

姉のみーちゃんは

「メガネ姿って『萌え〜』だもんね♪」


プラスに考えてくれた。みーちゃんも、短大二年生。


春から福祉施設で働くってはりきってたな。


未来は、家から歩いていける、私立の共学校に通っていた。


元々、派手好きだったけど、高校に入ってから、ますます目立つ。化粧とか、髪とか…。


厳しかったお父さんに対する反抗心もあるんじゃないかと思う。


平凡な毎日を漠然と生きていた私にも


大学受験が近付いてきた。


やりたいこともないから、担任に勧められた大学をとりあえず受ける。



もう少しで卒業なのに




…今日


『三崎先生』という

思いがけない人に出会ってしまった。




「──…ほっといてよ…」


呟いた。

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