群青色の恋     〜私たちの恋愛模様〜
私の話を聞いてた瀬南くんはの反応は、無言だった。



…やっぱり結婚する人は恋を続けちゃいけないんだよね。


そんな当たり前のこと、聞いてる私はどうかしてる。


私は視線を前の景色に移した。





「──そんなに好きなヤツいるのに、…ごめんな…」


私の耳に、瀬南くんの低くて小さな声が届いた。




「…ごめんなんて言わないでよ…瀬南くんのせいじゃないから!」



私がそう言っても

「オレ、中途半端に足突っ込んだし…」

小さくなる声。



「そんなことないから。ホントに嬉しかったよ!!

…だからそんなふうに言わないで!」


だんだん私の声が大きくなった。



──瀬南くんがいてくれてホントに心強かった。


だから、もう巻き込んじゃいけない。



これ以上、私に関わると、瀬南くんに先生は何かするだろう。…兄弟だって、あの人はやりかねない。


…それに、兄弟での争いは見たくなかった。


一時期の自分と妹を思い出すから。




「……そう。そう言ってもらえると、少しは嬉しい。」




安堵の声に変わって、私は少し安心した。



「あとさ、…お節介ついでに…」




「連れていきたいところがあるんだ。」




「……私を?」


「そう。…多分、義姉さんにとっても、大事なこと…。」




やけに真剣な声だったから

私は…黙って頷くだけだった。
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