拝啓、先輩好きです。

出会い

☆出会い☆ 亜羅汰side

「まぢ、ひまー。」
なんて、パソコンに向かって言ってみたけどパソコンがそこまでひまじゃなくしてくれる確率なんてゼロだ。
私が言いたいのはそういうことじゃない。
パソコンの画面に表示されている、出会い系サイトに登録している男達にいってるのだ。
高校1年になってからは彼氏なしで今、2ヶ月を過ぎたところだ。
中学の時は時々彼氏がいて、それなりに楽しい日々を充実していたのだが、高校に入るなり彼氏ができるわけでもなく…。
それで、某有名な出会い系サイトに登録したものの実際の顔なんて貼ってる人なんてほんの一握りでほとんどがアバターだ。
私がこれに登録した理由は男目当てと言うのもあるが、ほとんどは同じ中学や同じ高校の友達ばかり。
だから、つまらなかった。
確かに、みんなと連絡を取れたり今していることがわかるのはなにかと都合がいいことだと私は思う。
でも、逆に私がなにをしているかもわかってしまう。
私の自己紹介の欄には本名の゛佐野亜羅汰(さの あらた)゛と言う名前が書いてあり、出会い目的バレバレのことが書いてある。
そんな中、私に一件の申請がきていることがパソコンの画面に表示された。
「くぅ?」
男のアバターで名前は゛くぅ゛。
ありきたりではあったが取り合えず承認してみた。
でも気になるのは人間の本能なのかな!?
私は直後に
゛私の知り合いの方ですか?゛
とメールで送ってみた。
すると意外にも返信は早く
゛知り合いではないと思うよ?゛
ときた。
ついでに
゛ダメだった?゛
とまで。
゛だめじゃなかったですよ?゛
と少し嫌なオーラを出したメールを返信した。
そこから何通かメールし続け時間は12時を回っていた。
そんな時いきなり
゛あってみない?゛
とメールがきた。
普通なら怪しいと思い、会ったりもしないのだろう。
しかし、このひまな生活をどうにかしたいと思う心と同時にこの人とのメールの内容を思い出した。
この人、名前は悠(ゆう)と言う名前で年は私の一つ上。つい1ヶ月前にこのあたりに引っ越してきたらしい。なのになぜかこのあたりの地理に詳しい。そして案内してと言うわりにこのあたりではない私の通ってた小学校を指名してきたのだ。
私はその真実を確かめたかった。
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