薫風-君といた軌跡-
「あんた一年?」
先に口を開いたのは彼女だった。
そしてまたいきなり風が止んだ。
少し高圧的なその口調に
イラッとはしたが
女の子相手に…と冷静になった。
「一年。入学式抜けて来た」
俺もタバコに火をつけた。
彼女はまた俺から目を反らして
まっすぐ向いてタバコを吸い始めた。
なんなんだろ、この女。
なんか悔しいが可愛いことは確かだ。
また、無音の時が来る。
「あ、あのさ。君は何年なわけ?」
今度は俺が。
唇が渇く。
心臓がやけにうるさかった。
彼女はタバコを押し付けて火を消すと
コンクリートブロックから飛び降りた。
「…関係ない」
低く、静かな声だった。
彼女の存在が
一瞬で俺の全身に突き刺さった。
慌てて振り返ったけど、
彼女の姿はもうなかった。
「なんなんだよっ!あの女!?」
コンクリートブロックを思わず蹴った。
爪先がジンジンと痛む。
くそっ…。
けど、なんだろ。
あの子…
懐かしさを感じた。
