トリップ少女
「騒がしいわね、翡翠」
「どうしたのよそんなに大泣きして~」
続々とどこからともなく人魚たちが集まってきた。
・・・みんなそろいもそろって美人ばっかりだ
見とれていると一人の髪が深緑色の人魚が言った。
「泣かないで、翡翠。あんまり真珠は無駄遣いするものじゃないわ」
・・・あぁ、目の前の人魚は翡翠というのか
・・・てか真珠って何??
・・・まさか宝石の??
若菜は翡翠と呼ばれる人魚を凝視した。
目を凝らしてよく見てみると涙の大きさであるためさほど大きくはないが、イヤリングにするにはちょうどいい大きさの真珠が次から次へと、翡翠の目からこぼれて広がっていった。