トリップ少女

翡翠は涙の中から一番大きな真珠を取って若菜に手渡した。


それは純白で上品な輝きを放っていた。



「よかったわね~若菜。翡翠の真珠はもちろん本物。人間なんかが作ろうとしたら数百年はかかるでしょうね。」


深緑の髪の人魚が言った。



「そうなの?百万円くらい?」


若菜は何気なく答えた。



「ばっかねぇ!!そんな安物じゃないわよ。翡翠のは。値段なんかつけられない代物よ!!しかも値段つけるって言う発想が気に入らないわ。まるで人間みたい。」



「人間みたいって私はそもそも、」



途中まで言いかけてはっとした。


-ルール-
異世界のものであると知られてはいけません。
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