トリップ少女

「着いたわよ。」


赤いサンゴの森の中で人魚たちが集まっていた。



「宝石サンゴだ!!これ深海にしか存在しないんだよね。てことは私は今深海にいるってこと!?」



「何馬鹿言ってるのよ、早く記憶喪失治しなさい!今はそれどころじゃないのよ。」


見たこともない人魚にきゅっとにらまれて窘められた。


「ご、ごめん・・・」





若菜はあたりを見回した。



どれくらいいるのだろう?


ざっと20・30人くらいだろうか。


・・・てか人魚の数え方って「人」でいいんだっけ?




ゴホン



そのとき人魚たちの真ん中にいる老人がおもむろに咳払いをした。
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