月夜の太陽
「私は子供が死んだら自分も死ぬつもりだったの。こんな私でも母親ですもの…どんな形であれあの子の傍にいてあげたかった」

「でも、アリアもソルも今現在しっかり生きているわ」

「最後のお別れをする為に、ソルの眠る部屋に主人といたらお父様が入って来たの。お父様が、自分がソルの死を見届けたことにするから、誰にも気付かれないようにソルを外にと……」

『ヘイザス様が逃がしてくれたのか?』

「そう…その時、頭に浮かんだのがリリアだった…。お父様がそうおっしゃってくれなければ、今頃ソルも私もこの世には存在していなかったわ」



ソルはせっかく生き延びたというのに、今私のせいで再び命を危険にさらされている。


私がソルの幸せを壊そうとしている。



「ソルはアリアやレバンナさんのことは知っているの?」

「…いいえ。ソルは何も知らない…何も知らないほうが安全だと思ったから。ただ、自分の事は純血だと思っているかもしれないわ」

「綺麗な金色の髪の毛をしているから?」

「えぇ…」



髪の毛が金色になったのはきっと突然変異…。


森で出会った人が純血のバンパイアなはずないもの。





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