月夜の太陽
「アリア、やっぱり少し休憩しましょう。疲れた顔をしてるわ。それに、時間はたくさんあるんだから」

「でも…」

『俺のことなら気にしなくていい。ローズのおかげで聞き役には慣れているからな』

「改めてそう言われると何だか申し訳ないわ…」

「ウフフッッシエルさん、ローズありがとう。では少し休憩させてもらうわ」



私はお父様たちに気付かれないようにそっとその場を後にした。


このままここにいればばれてしまうし、それに…もう十分だった。


もう…これ以上聞いていたくなかった。



部屋に戻るとリオがソファーに座って本を読んでいた。



『お帰り。お母様には…その様子だと謝れなかったみたいだね』

「…うん。終わるの待ってたんだけど盛り上がってるみたいだから戻ってきちゃった」



私が無理に笑うとリオから苦笑いで返されてしまった。


今の心の中はリオにも悟られたくない。


私が…私が気持ちを圧し殺せば全てが丸く収まる。


ソルの幸せを壊したくないから……。






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