月夜の太陽

使い魔

ロナウドはリリアさんに会いに外へ行ってしまった。


私は部屋で大人しくロナウドが帰ってくるのを待っている。


大人しく、というか…今は何もせずに大人しくしていたかった。


最後に見たソルの顔が頭から離れない。


まさか気付いてないよね?



「ソル……」



久しぶりにソルの名を口にすると、封印したはずのソルへの思いが溢れ出てきそうだった。


気持ちが少しでも零れてしまわないように、私は一生懸命押さえ込もうとした。


気持ちが溢れてしまうのを抑える代わりに、無意識のうちにギュッと瞑った目から涙が零れ落ちる。



「そろそろ泣き虫卒業しなきゃ……」



ドアがノックされ、私は急いで涙を拭いソファーから立ち上がった。


ドアを開けるとそこには笑顔のロナウドが立っていた。


私も笑顔になりロナウドを部屋の中へと招き入れた。





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