月夜の太陽
「あら?そんなブローチ持ってた?」

「私の名前と同じ月のブローチをロナウドが出店で買ってくれたの」

「素敵ねっ!私もシエルに何かプレゼントを買おうかしら」

『シエル様はとても喜ばれると思いますよ』



私はそっとブローチに手を置き、ソルに見えないようにした。


気付いていないとはいえ、ソルには見て欲しくなかった。



「外に出たならリリアとは会えたの?」

『いえ、リリアとは会っていません』

「せっかくだから会って来たら?きっとリリア喜ぶわ」



ロナウドとリリアさんの関係は知っていたけど、私は説明してという顔をしてロナウドを見上げた。


私と目が合うとロナウドは笑って説明してくれた。



『リリアは以前デトイス国の我が城で女官長を務めていた人だよ』

「そうなの?だったら会って来るべきだわ」

『そうだね。ではルナは部屋で少し待っててくれるかい?』

「えぇ、私の事は気にせずゆっくりしてらして」



私とロナウドはお母様たちに断りをいれ、図書室を出た。


出るときに少し視線をソルに向けると、ソルもこちらを…私を見ていて思わず直ぐに目を逸らしてしまった。





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