月夜の太陽
「いつから…知ってたんだい?」

『覚えてないけど、結構前から知ってた。母さんと兄貴が話してるのたまたま聞いた』

「ソルはずっと1人で苦しんでたの?」



エレナは潤んだ目で真っ直ぐと俺を心配そうに見てくる。


ルナの泣き虫がうつったんじゃないかと思うくらい、エレナは以前より良く泣くようになった。


そういう時期なのかもしれないが。



『こんなに大切にしてもらってるのに苦しむ理由がない』

「本当の母親に会いたいとは思わないのかい?」

『別に会いたくないわけじゃない。でも、自分から会いたいとも思わない』



俺の本当の両親が俺を捨てた理由は分からない。


母さんに聞けば教えてくれるかもしれない。


だけど、今更知ったところでなんの意味もないと思った。


それに俺を捨てたことを別に恨んではいない。


俺はここでの生活が好きだし、幸せだとも思ってるから。






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