月夜の太陽
お母様がニコニコと歩み寄ってきた。


この笑顔に何度騙されたことだろう……。



「お友達が来てるんだけど、一緒に食事にしない?」

「…お友達?アマンダさん?アリアさん?」

「ルナがまだ会ったことのない人よ」



はて?


誰だろう……。



「いいから行きましょう!!」

「いいよ!!何で私まで行かなきゃいけないのよ」

「だって暇そうなんだもの」



そう言われて言い返せない自分が凄く切なかった。


だって、本当に言い返せないくらい暇で暇でしょうがないから。


お母様に手を取られ、ソファーから勢いよく立たされてしまった。



「とっても豪快な方と、とっても心の優しい方だからきっとルナも直ぐに仲良くなれると思うわ」



お母様の話し方は本当に嬉しそうで、その友達の事を心から信頼しているという風だった。






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