月夜の太陽
客間に行くかと思いきや、お母様に手を引かれて着いた所はバラ園だった。



「ごめんなさい!!お待たせしましたっっ」

『別に待っちゃいねぇがよ、俺がこんなところにいたら薔薇に申し訳ねぇよ』

「そうですか?薔薇たちも歓迎している様に感じますけど」

『お前さんは全く』



豪快に喋るその人は、自分でも言っているようにお花というイメージは全くなく、失礼ながら笑ってしまいそうだった。



『ルナ様、我慢せずに笑って宜しいのですよ?僕はもう、笑ってしまいそうです……ブッ』

『ザックてめぇな!!』



2人のやり取りを見て、私は思わず笑ってしまった。


それも大口開けて。



「あはははははッッ!!!!あっ……すみません………」



笑っていると大柄な男性と目が合い、我に返りすぐさま謝った。


だけど、そんな私に2人ともとても優しい笑みを向けてくれ、嬉しい気持ちになった。





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