月夜の太陽

運命

リオ以外の客は全員いなくなり、店はだいぶ静かになっていた。



『僕も後片付け手伝うよ』

『直ぐ終わるから大丈夫だ』

『そうだよね、手馴れてない僕が手伝ったら余計時間かかっちゃうよね』



フワッと笑いながら喋っていたリオの顔つきがいきなり鋭い顔つきに変わり、驚いた。


顔つきだけじゃない。


雰囲気もいつもと違いまがまがしく威圧的だ。


そんなリオの雰囲気にエレナや兄貴、そして母さんも気付き心配そうな顔を向けている。



「リ、リオ?」



エレナが恐る恐るリオに声を掛けると、いつになく真剣な声でリオは口を開いた。



『エレナ、フィズの傍へ』

「えっ?」

『みんな僕の傍から離れないで』

『リオ説明しろ』

『説明している暇はないみたいだ』



リオが言い終わると同時にドアが勢いよく開き、物騒な雰囲気の輩が入ってきた。






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