月夜の太陽
片手を顔に当て、俯き何も喋らなくなってしまったソル。


肩が震えている。


泣いているんだと…思った。



『ローズ様は…どうしてそう寛大なお心をお持ちなんですかッッ』

「そんな事ないわ。凄く苦しんだのよ?憎しみと真実と目の当たりにした現実…いろんな感情や出来事に。でも、自分の目で見たものを信じることにしたの」

『目で…見たもの……』

「darkmoonの中で私が見た本当の悪はクーデターを起こしたレイドという男だった。心に黒い感情しか持ち合わせていない本当に冷酷な男」



お母様が勢いよく立ち上がり、恥ずかしいくらい肩が飛び跳ねてしまった。


お父様はそんなみんなの様子を見て笑っている。



「さぁ、今日はもう寝ましょう!!ぐっすり寝て明日また話したほうがいいと思わない?」

『そうだな、そろそろ皆疲れただろう。それに、明日にはサハルドが何かしら情報を持って帰ってくるだろう』

「男女の事に関しては私は口出ししないから、2人でよく話しなさい。分かったわね?ルナ、ソル」

「『…………』」



今までの空気と打って変わって、カラッとした喋り方をするお母様に呆気をとられてしまった。



「返事は?」

「『は、はいッッ』」






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