月夜の太陽
レイドは顔を近付け呟いた。



『まだまだ青い』

『ッッ』



その瞬間剣が軽くなり、レイドは離した剣を振り下ろそうとしたかと思えば、脇に衝撃が走り蹴りを入れられたことに気付く。


防御態勢を取っていなかったため、俺はそのまま体が浮き勢いよく闘技場の壁に全身を打ちつけた。


閉じていた目を開けると木々や花々等の緑が広がっていて、打ち付けられただけかと思いきや、どうやら壁をぶち抜いて外まで飛ばされてしまったらしい。


何故だ……力は互角…いや、奴以上なはずなのに何故奴に歯が立たない。



"赤子同然だな"



頭の中で、低く落ち着いた男の声が響いた。



"レイドごときに手こずってどうする"

『……誰だ』

"今のお前に教える気はない。剣を見ろ"



言われるがまま握り締めていた剣を見ると剣は黒い光に覆われていた。


いつの間に…こんなことに………。






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