月夜の太陽
走っているといきなり腕を掴まれ驚き振り返ると、そこには息を切らしたソルが立っていた。



『ハァハァ…探した』

「ソル…」

『何泣いてんだよ』

「だって…ごめん……」



私の涙を優しく袖で拭ってくれた。


さっきは怖い顔をしてたけど、今は困ったような顔をしているソル。


『無事でよかった』そう言って微笑むソルの顔に私は見とれてしまった。


ソルは私の手を握り、ゆっくり歩いてくれた。


家族以外の人とこうやって手を繋いで歩いたの初めて。


さっきまでの不安が嘘の様に消えていく。



「ここ…」

『知ってんのか?』

「私の好きな場所」

『店の裏口からそんな遠くないから、俺もたまに来るところなんだ』



ソルが連れてきてくれたのは、妖精のような彼と出会ったお花畑だった。





 
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