月夜の太陽
『寝ちまったのか?』

「う、うん」

『しょうがねぇな』



そう言ってソルはエレナを抱きかかえた。


さっきの話が気になって、ソルの顔をジッと見てしまう。



『なんだ』

「う、ううん!何でもない!!」

『酔ってんのか?』

「大丈夫だよ!私も一緒に行く!!」



エレナを抱きかかえたソルの後ろに続き、私も二階へと足を進めた。


一階がお店で、ソルたちは二階で生活している。


二階に上がるのは初めてだ。



「ここフィズさんのお部屋?」

『あぁ』

「難しそうな本がたくさん」

『兄貴は昔から本読むのが好きだからな』



お城の中にある図書室に連れてってあげたいな。


私もリオも特別本を読むのが好きなわけじゃないから、ほぼ足を踏み入れない。


他の人もあまり利用してないみたいだし。






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