シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「…くっ…」

俺は自分の運命と、不甲斐なさを受け入れるべきだろうか。

…涙は出なかったが、やりきれない思いに心が引きずられそうになった、…その時。

「圭吾、その方が、いいのよ」

いつもの話し方で瑠奈がポツリと言った。

「私は大丈夫。あなたがいなくても…、…」

ポタリと俺の足に彼女の涙が降ってきた。

「る…な…」

俺は、こうして君を愛し始めてから、何度君を泣かせてきたのだろう。

幸せな恋を君としたかった。

輝きながら明日の事を二人で考えてみたかった。

だけど、想いが強くなるにつれて、別れの日が近付いてくる。


< 104 / 122 >

この作品をシェア

pagetop