シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
―――何をしているんだ、俺は。

彼女の柔らかい唇に触れながらそっと目を開けて彼女の顔を見る。

うっとりとした表情で目を閉じて俺の唇をなぞる彼女を見ていると、…分かる。

…俺を好きなんだと。

じゃあ、何故、婚約なんてしたんだ?

はっとして彼女から唇を離す。

俺も、俺だって同じじゃないか。

あと数ヶ月で美里と結婚する。

お互いに将来を約束した相手がいるこの関係は永遠ではないだろう。


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