シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
それから、そっと私を抱き締める腕を緩めると、彼は私の顔をジッと見た。

「?…圭吾…?」

彼の眼差しに哀しみを帯びた光を感じる。

澄みきった瞳が綺麗で、哀しく、切ない…。

「…いやだ…」

フッ、と視線を私の目から逸らし彼は小さな声で呟いた。

「…え」

また再び私を真っ直ぐに見ると彼は私の肩を両手で掴んで目線を合わせて言った。

「嫌だ、君とあと少ししか一緒にいられないなんて。
分かっているつもりだったのに…。
君の事しか考えられない。

…出会わなければ…良かったのか…?」

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