シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
―――窓から射し込む微かな月の光に彼の端正な顔が青く映し出されている。

私はそれを隣でうっとりと眺めていた。

二人並んでベッドに寝そべり微睡む、こんな一時は未来には訪れない…。

いつまでもこうしていたい。彼を隣で見詰めていたい…。

叶うはずのない想いに心が支配される。

「俺さ、」

え?

彼が突然話し始める。

「瑠奈を初めて見たあの日から、君の泣き声がずっと頭から離れなくて、…」

?…何を言い出すのだろう。

「そんな風に、誰かに強く求められる事なんて、今までになかったから戸惑っているのか、と思ってたんだけど、…瑠奈の声に俺の心はずっと縛られていたのかな」


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