シンデレラになりたくて～エリート専務と秘密の恋～

「君が、好きだ。
堪らなく…、愛してしまった。

何で、こんな…。
今になって…」

彼が小さく肩を震わせて私にしがみついてくる。

私達はお互いを強く抱き締め合いながら、お互いの体温で温め合いながら、
……二人、静かに泣いた。

どうして、出会ってしまったのだろう。

どうして、こんなに愛してしまったのだろう。

どうして、離れなければならないのだろう。

どうして…。

私達に起こった全ての事に、何の意味があるのかな…。

それから残された時間を慈しむ様に私達は愛し合った。

何度も、何度も、お互いを求め合う。

まるでこの恋に終わりなんてないかの様に。

「…瑠奈…」

彼が私を切なく呼ぶ声を脳裏に焼き付ける。

…専務、私を愛してくれてありがとう。

どうか、幸せになって下さい。

私は朦朧とした意識の中でそっと心で呟いた。