シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「…初めてだな」

「は?」

父は楽しそうに笑いながら言った。

「お前が言い返してきたのは。
俺の言うことは今まで何でも聞いてきたのに」

「え」

そうだっけ?今まで俺はそんなつまらない男だったか?

でも、確かにそうかも知れない。

俺は言われるがままに、敷かれたレールの上をただ、歩いてきただけの様な気がする。

「社員か」

「え」

俺の表情から父は何かを感じたみたいだ。

「そうか、お前は若くて羨ましいよ」

「は?なっ、何を言ってるんだよ」

「いや、すまん、すまん。ははは」



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