シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
社長室のドアを力任せにバン、と閉めると俺は早足で歩き出した。

―――。


「圭吾!」

そのまま屋上に向かうと、出入口のドアを開けた瞬間、瑠奈が飛び付いてきた。

「うわ!、あぶなっ…」

そのまま二人その場にひっくり返る。

瑠奈は俺の身体に細い腕を巻き付けてギュッとしがみついている。

「瑠奈、危ないだろ。
どうしたんだよ」

声を掛けても離れる気配がないどころか、さらに力を込めてきた。

俺はそっとそんな彼女を抱き締め返した。

…こんなに愛しいものが、この世にあったのか。

腕の中にスッポリ収まる小さな身体。

彼女に触れると堪らない気持ちになる。

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