シンデレラになりたくて~エリート専務と秘密の恋~
「田村くん、あの」

俺が訳を聞こうとした瞬間、エレベーターが七階で止まり扉が開いた。

彼は行き先が決まっているかの様に歩いていく。

俺も訳が分からないまま、とりあえず付いて行った。

田村は会議室の前で立ち止まると、人差し指を口に当てて俺に話さない様に伝えてきた。

「………?」

わずかに開いた扉の隙間から女性の声がする。

思わず耳を近付けて話を聞いてみると…。



「ちょっと、何とか言いなさいよ!」
「あなた、専務は婚約してるのよ?」


…何?俺の話?

「どんな手を使って近付いたのよ!?」
「あなたみたいな人と、あり得ないって言ってんのよ!!」
「専務には手を出しちゃ、駄目なの。女性社員の中で暗黙の了解なのよ。
知らないの?」
「まあ、あなたみたいな人は、誰でもいいんでしょうけど!!」



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