(長編)初めての恋~永遠に~
男性が話しはじめた。


「麗さん、お気の毒ですが、透さんがお亡くなりになったのは事実です。私達は明日朝、九州に向かいます。麗さんも行きますよね。一人じゃ無理だと思いますので、明日私達と一緒に…」


「帰って!帰ってください…お願い透を返して…」


麗の様子を見て、それ以上何も言わないで、男女は部屋を出て行った。


下の階で母の対応している声がする。


男女は麗が聞き取るのは難しいだろうと、連絡先、場所、病院などの書いたメモを母親に渡していた。


母親は麗の姿を見て一緒に泣いていた。


「麗…」


と声をかけようとしたが、そっと下に降りていった。
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