ちぐはぐ遠距離恋愛
(あれ、同い年だよね……??)
動かずフリーズするあたしに将ちゃんがため息をつく。
「中二がやることじゃないよね」
「う、ん」
「どこで覚えたんだか……。おじゃまします」
そう言いながら将ちゃんも玄関を上がり凌の部屋に入っていく。
残されたあたしはしばらく立ち続けて頭を整理してからリビングに言った。
ポテトチップスにコーラのペットボトル。それと三個のコップを用意する。
「って、これじゃあ あいつの思う壷じゃん!」
気づいた時には遅くて、あたしは凌の部屋の前まで来ていた。
(ここまで来たなら仕方ない)
あたしはドアから少し離れたところにおぼんを置く。
空になった手でノックだけをして、部屋に戻った。
智春さんお手製の肉じゃがを自分の部屋で頬張る。
相変わらず美味しいから、全部平らげてしまった。
(あ、凌の分…)と思ったがまぁそこはスルー。
やることがなくなったあたしはヘッドフォンを取り出し、
音楽を聞きながら勉強をし始めた。
しばらくして―――
コンコンとノックの音。
あたしはヘッドフォンを外して椅子に乗ったまま移動しドアを開けた。
「将ちゃん?」
「相変わらず綺麗だね。おじゃまします」
将ちゃんはあたしの部屋をグルリと見渡し床に座った。
「どうしたの?」
「あいつらが燃えすぎて、疲れたから逃げてきた」
キラキラスマイル…でまた笑いかける。