ちぐはぐ遠距離恋愛



だけど、ごめん……舞。

あたしに気を遣ってくれたことは嬉しいけど、


今は――そんなの――どうでもいいの……




あたしの頭を支配するのは、

ただの飾り付けの言葉では収まりきらない“幼なじみ”。



幼なじみは、恋愛対象外……




もしもそうなら……

『諒太』と呼ぶ


あの子は、―――カノジョ

あたしは、―――オサナナジミで恋愛タイショウガイ。





なんだかもう、馬鹿らしくて。


今まであいつが好きだった自分が惨めで仕方なく思えた。


「…ホントにもう、参っちゃうよ」

「真白?」


薄ら笑いを浮かべるあたし。



「海来ちゃんと…あたしも話したよ」

「えっ?」

「友達になった」

「真白、平気なの?」

「何が?」


って、自分で言っててまた面白かった。

(何が?ってなんだよ)

また強がってるあたし。


「気にして、ないの?」

「大丈夫」


だってあたしは、強がりだから。

殻を作ることでしか自分を守れないんだと悟った。


それなら、それで強くなればいいって思ったんだ。


「さっ、後でもう一回くらい挨拶に行こうかな」


そう笑いかけて、舞たちを座席へと促した。





< 307 / 420 >

この作品をシェア

pagetop