ちぐはぐ遠距離恋愛



「は?…な゙…っ?!」



上手く言葉が出ない。




(どうゆうこと…!?)




「何かね!諒太くんが家に泊まってくれるって!」

「はぁ?」

「よろしく」



すたすたと歩き凌の部屋へ入ろうとする諒太。




「ちょ…待っ!けほっ…」




咳が出てあたしは座り込む。



「げほ…ゴホ…っ!」

「おい……」



諒太があたしの前に座り込んだ。



「ごめ…っ…」

「いいから…しゃべるなよ」



優しい声で言いながら荷物を置いた。

そしてあたしの手を取る。





ドクン………





ギュウッと胸を締め付けられる。



大きくて、筋肉がついたしっかりした腕があたしを支える。




「ほら」

「……っ」




一声一声に、



胸が跳ねる。






「何かあったら、言えよ」




あたしをベッドに寝かせた後、諒太が言った。




「……うん」



「隣に、いるから」




そう言って部屋を出た諒太。





『隣に、いるから』





やけに色っぽく聞こえたその声は、頭から離れない。





「ずっと…いてよ」






どこにも、行かないで欲しい……。





ずっと、ずっと―――





隣にいて、


笑ってくれて、




『真白』って――――






名前で呼んでいて欲しいよ、諒太………。







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