ちぐはぐ遠距離恋愛

男になれ!!




結局あれからあたしは三日ほど休み、




今日久しぶりに登校した。




「真白ぉ!」




奈緒美がギュウッと抱き着く。




「おはよ」

「待ってたよ〜!」

「はは、心配かけてごめんね」



あたしは奈緒美の頭を優しく撫でた。



「大野、治ったの?」



男子が声をかけてきた。



「あぁ」

「馬鹿は風邪ひかないのにな」

「真白は馬鹿じゃないよ」



奈緒美の声が耳を掠める。




「おい、一発殴らせろ、山内[やまうち]!!」

「げっ…」

「あ…!まっしー!!」



殴り掛かったあたしを舞が押さえ込む。



「舞、離して!こいつ…朝っぱらから喧嘩売りやがって」



あたしは山内の制服を掴んだ。




拳を作り、頭を殴ろうと振り上げた…その時。





「あ!村野助けろっ!」





諒太が階段を上がって姿を見せた。



思わずあたしは山内の制服を握っていた力を弱まらせた。




「おっしゃ!」

「あ…やべっ!」



その隙をついてスルリと逃げ出した山内をあたしは慌てて追いかけようとした。




――――が、





「行かせません」

「ひゃ…!!」



舞に襟足を引っ張られた。



「ま〜い…ぃ」

「まっしーはあくまでも病み上がりでしょ?」

「う…」



そんなあたしをみて、



「プッ…」



諒太が笑った。



――――かもしれない。




山内も諒太の前で変な顔してたから真相は分からないけど……。




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