もう一人の花嫁……
この神聖な雰囲気も、パイプオルガンの音色も、
私にとってはただの耳障りな雑音。
私の横を緊張しつつも幸せそうな笑顔で通り過ぎる新婦の女。
史郎の元へと歩みを進め隣に立つ。
そこはアンタの場所じゃない!!
チャペルの中に賛美歌が響き渡る。
耳障りな……。
いっそのこと賛美歌じゃなくてレクイエムでも流したらいいのに。
あら、ごめんなさいね。まだこの世にいらっしゃるわよね。
でもね、もうすぐだから。