無口でクールな転校生。
「ねぇ卓斗…」



身体を離すと、夏希は何か言いたげな瞳をこちらに向けた。



「どした?」



「……ううん、何でもない。帰ろっか」




夏希は作り笑いをし、鞄を持ち教室を出ていった。



今の、なんだ…?



俺も夏希の後を追って教室を後にした。




「おい夏希待てよ!」



夏希を追って階段をおりようとしたとき、階段の下で夏希と笹本さんが見つめ合っているのが見えた。



夏希は少し怯えたように後ずさりをした。


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