若恋【完】
「若、一也が到着しました。店の者には一本渡し騒ぎを治めました」
「そうか」
「若、そのお嬢さんはわたしがお連れします」
わたしを抱き取ろうとして伸ばした腕に、抱えてる肩がピクリと震えた。
「いや、俺が運ぶ」
「……若?」
怪訝そうな声が。
「それより、行くぞ」
わたしに負担が掛からないように包み込み、ゆっくり抱え上げた。
「い、た、」
腕の痺れと激痛に声を上げると腕の強さが変わった。
「悪りぃな、少しだけ我慢してくれ」
耳元で切なく言い、ゆっくりと歩き車へ乗り込んだ。
「仁はいるか?」
「どうした奏?」
ウインドウを下げさせ声を掛けると、
「仁、後ろをついて来い。一也、成田のとこに急げ」
「電話で、成田には手術の準備はさせとく」
「ああ、頼む」