若恋【完】
―――え?手術?
痛さのあまり目が霞んでるのを必死で開いた。
制服の破れ目から覗く左の肘は、普段の倍に腫れ上がり紫色と出血。
ハンカチで縛った右手の指もハンカチごと血だらけだった。
「大丈夫だ。俺がついてる」
「いえ、わたしが付き添いますので若は先に屋敷に戻ってください。また狙われでもしたら」
「……榊、そう簡単にはやられやしない。俺が付き添う。彼女は俺の命の恩人だ、俺が面倒をみる」
低く静かな声音で言い、腕の中にいるわたしを見た。
驚いていると、その視線はすぐに反らされ、そして後ろを振り向いた。
「榊、頼み事がある。新しい携帯を用意して欲しい」
「携帯ですか」
「ああ、俺のはさっきのでダメになった」