若恋【完】
―――痛い
自由にならない体を朦朧とした意識の中、痛みだけが永遠と続いていく。
「若、…彼女を屋敷に連れ帰ることにわたしは反対です」
聞き取れない程の小さな響きが耳を掠めた。
「このまま入院させた方が彼女のためです。両手を使えない彼女をすぐ連れ帰っても、困るのは、」
「面倒は俺が見る。しばらくの間は彼女の両親にも頼む。問題ない」
「…若、わたしが言いたいのは」
ふたりの会話が途切れ重い沈黙を運んでいるのが聞こえる。
わたしのことで言い争いをしてるのがわかる。
目を覚まして余る痛みで息苦しい。