若恋【完】
熱に浮かされ。
波が来る痛みに薬を追加され痛み止めが効いてまた眠りにつく。
寝ては覚めてを繰り返し、目を覚ますごとに奏さんがベットのそばにいた。
「そばにいるから安心しろ」
「うん」
「ずっとついている」
奏さんの眼差しは優しい。
早く動けるようになって帰らなくちゃ。
お父さんもお母さんも心配してる…
すうすう。
「若、体を休めないと倒れますよ」
「…榊か」
「成田が嘆いてましたよ。奏が毎日往診に来いと無理を言うと。彼女の何に拘っているんですか?相手は高校生です。その辺のところは、」
承知してますよね?
「…わかってるさ」