若恋【完】


「夕方6時からだよな」

仁お兄ちゃんが確認する。


「身内だけでやるからな、りおが動けない分、榊、おまえが仕切ってくれれば助かる」



「もうすべて整ってますよ。りおさんの手を煩わしたりしません」



「そうか、頼むぞ」


にっこり笑う榊さんに、奏さんの機嫌はますます良くなった。



「榊さん、仁お兄ちゃん、ありがとう」



いつも本当に奏さんを支えてくれて、わたしをも気遣ってくれる。

わたしがお礼を言うとふたりは、

「わたしたちだけじゃないですよ。みんなが若とりおさん、坊っちゃんに会えるのを楽しみに待ってます」
うんうん。

頷いてる。



「若、組長と留恵さんからお祝いが届いてます」

「兄ふたりからもな」

「りおさんの御家族も早めに来るそうです」


賑やかになりますね。


榊さんがミラー越しに肩を揺らして笑う。




< 392 / 417 >

この作品をシェア

pagetop