若恋【完】


「りおさんは夕方まで体を休めててくださいね」

「準備ができたら呼ぶからな」



ふたりに任せておけばすべてが大丈夫。

いつも完璧で間違いがないから安心できる。



「今回は身内だけでやるからな。しばらく二階で休んでろ」

「うん」



無理はするな。



車の中でわたしのポニーテールをいじる。

指にクルクルと髪を絡ませた。


「若、もうすぐ着きますよ」

「ああ」



静かに車が停まり、仁お兄ちゃんがドアを開けてくれた。



一週間ぶりに戻ってきたよ。

みんなに見送られてここを出た時はわたしはひとりだったけど、今日からはふたり。

いや、3人で。



車を降りて玄関前で深呼吸する。







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